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われらアグリ応援団 第43回 「農家が握手会」

たま吉くん
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われらアグリ応援団 第43回 「農家が握手会」

非凡な発想力でPR

 

おもしろいことを考えたものである。

AKBでも乃木坂でも、大谷でもない。農家が握手会を開くという。

握手会の当日、会場となったアルビス黒部店の特設コーナーに立っていたのは、まぎれもなく新川きゅうり出荷組合の広瀬琢磨組合長(43)だった。

「新川きゅうり」は入善、朝日町の5人が生産し、名水として知られる黒部川扇状地の地下水を使って、みずみずしく食感の良いキュウリに育てている。ただ、地域の名産とはいえ、まだまだ知名度が高いとはいえず、「まずは地元の人たちに知ってもらいたい」とPRに乗り出したのだった。今年に入り、ビニールハウスでの収穫体験イベントや学校給食への提供など熱心に活動してきた。握手会イベントは「頑張っている農家の手を感じ、作り手の顔を思い出しながら食べてほしい」という思いで、初めて企画したのだという。

新川きゅうりの特設コーナーは、アルビスの入り口近くにあって、お客さんが次々に訪れては、おいしそうなキュウリを買い物かごに入れていた。

握手会とはいえ、推しのアイドルでもない広瀬さんに、お客さんが近寄ってくるのだろうかと少し心配して見ていたが、「激励の手」を差しのべる人がちゃんといて、ユーモアを理解する新川地域の人たちの心根にふれた気がした。

それにしても、農家が握手会を開くという発想には、非凡なものを感じる。

出荷組合には頼もしい応援団がいて、「農家のプロデューサー」として活動するブランディング支援企業「トゥ」の大石和さん(30)が知恵を出した。大石さんはかつて市場に勤めていた経験があり、ご存じの方も多いのではないかと思う。

運営にはJAみな穂が協力し、当日は営農指導員の山﨑七海さん(20)が積極的に、朝採れ野菜の試食を勧めていた。「農家と消費者が交流する機会を作りたい。地元のおいしい野菜をもっと知ってもらいたい」。そんな熱い思いを持つ若者たちが、これからどんな活動を展開していくのか、とても楽しみだ。

 

日本農業新聞富山通信部ライター 本田光信

 

▲消費者と握手する広瀬さん

 

▲新川きゅうりを紹介する広瀬さん

 

▲新川きゅうりを栽培するハウス