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われらアグリ応援団 第44回 「漱石に思う」

たま吉くん
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われらアグリ応援団 第44回 「漱石に思う」

若い人の活躍支えよう

 

おたからを鑑定するバラエティー番組を見ていたら、夏目漱石の写真が十数枚持ち込まれた。千円札のモデルになった写真もある。

その番組では漱石の生涯をダイジェストで紹介していて、ひとつ驚いたことがあった。

彼は49歳で亡くなったのだという。

うかつだった。「坊ちゃん」「吾輩は猫である」など数々の名作を残し、お札にもなった文豪だけに、還暦を超えたシニアをイメージしていた。思い込みとはおそろしいものである。

そういえば、吉田松陰にも驚かされたことを思い出す。松陰が幕末の志士に影響を与えたことは学校の授業で学んだが、おじいさんだと思っていた。松陰が29歳の若さで亡くなったことは、大人になってから知った。

若くして歴史に刻まれる仕事をした人はたくさんいる。昔はそんな人たちにあこがれたこともあったが、いつのまにか忘れていた。最近は大谷さんとかスポーツ界だけでなく、歌の世界でもYOASOBIやAdo、新しい学校のリーダーズなんかが世界の大舞台で活躍している。そういえば取材で出会う若者たちも、みんなやる気と情熱があって、社会に貢献しようという気持ちを持っている。ほんと、すごいなあ。

そんなことをあれこれ考えた翌日、たまたま「とやま農業未来カレッジ」を取材した。

この春に開設したばかりの「月岡キャンパス」(富山市月岡新)を会場にオープンキャンパスが開かれ、猛暑にもかかわらず、農業に関心のある高校生や一般の人たちが県内外から37人も熱心に参加していた。ミニトマトの箱詰めや、菊とネギの収穫を体験した富山市内の20代男性は、農業へのあこがれを口にし、「ここで学んでみたい」と笑みを見せた。

カレッジによると、この新しい月岡キャンパスに1年間通って学ぶ通年研修生は、募集定員を25人に拡充し、「高校生の推薦枠」も設けたという。そして来年度はさらに、吉岡キャンパス(富山市吉岡)を拠点にした2年目の「園芸経営実践コース」がスタートする。園芸作物をしっかり学べるようにカリキュラムを整え、就農に向けた研修を充実させていく。

最近の米大統領のようにいくつになっても頑張ろうという気概はたしかに大切だし、私もそのつもりでいるが、若い人たちに生き生きと活躍してもらう土台をつくるのもまた、われわれシニア世代の仕事である。

カレッジと若者たちの挑戦を見守っていきたい。

 

日本農業新聞富山通信部ライター 本田光信

 

 

▲収穫を体験するオープンカレッジ参加者

 

▲体験会場となったカレッジの圃場

 

▲月岡キャンパス

 

ネギを栽培する畑