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われらアグリ応援団 第51回 「野菜寿司」あの手この手でPR

たま吉くん
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われらアグリ応援団 第51回 「野菜寿司」あの手この手でPR

富山県が取り組む「とやまテロワールベジ」が、盛り上がりを見せている。

テロワールとは「土地の個性」を意味するフランス語。

自然や歴史、風土、継承された技などのストーリー(物語)をしっかり意識して、野菜などのブランド価値を高めようという試みである。認定第1号となった魚津市の「新川だいこん」が、2年連続で販売額1億円を突破するなど明るい話題が続いている。

今のところ認定品目は、入善・朝日の新川きゅうり、入善ジャンボ西瓜、黒部丸いも、富山市神明の名水神(めいすいしん)かぶら、となみ野の雪たまねぎ、庄川の温泉もろこし、あおばのシャクヤクの計8件だが、これからも増えそうな雰囲気である。

富山県は今年、テロワールベジをさらにアピールしていくという。

そのひとつが「野菜寿司」の取り組みで、「寿司といえば、富山」キャンペーンとも連携している。すし職人や野菜農家のみなさん、JAの担当者を招いた試食会が開かれると聞き、取材にうかがった。富山湾の魚はもちろんうまいが、わたしはカッパ巻きが好物なので、野菜を握りずしのネタにしたらどんな感じになるのか楽しみだった。

テロワールベジなど富山県産のさまざまな野菜をネタにした10種類のすしが、参加者のテーブルに運ばれてきた。黒部丸いもをかば焼き風味にアレンジして載せた握りずしや、甘いタマネギを煮込んで載せたすし、カリフラワーをスパイシーに味付けした軍艦もある。新川だいこんはネタだけでなく、ガリにも使われていた。丸いものすしを味わった参加者に感想を聞くと、「野菜と言われなければ分からない。中身がふわふわしておいしいですね」と笑みをこぼした。

今はアジアも含めて世界中の人たちが、国境を越えて旅をする時代だ。

魚や肉を食べられない菜食主義の皆さんにも、安心して食事を楽しめる環境づくりが必要だろう。野菜寿司を企画した富山県の担当者は、ニューヨーク・タイムズが「今年行くべき都市」に富山市を選出した勢いに乗って、野菜をPRしたいという。

とやまテロワールベジの取り組みは、野菜寿司に限らない。

飲食店やホテル、旅館の食事メニューに取り入れる企画など、行政がさまざまな施策で生産者を後押ししている。普及拡大に向けたフォーラムやワークショップも取材してみて、参加した農家のみなさんが生き生きと語り合う姿にふれた。愛情をこめて育てた野菜や果物や花たちを、印象深く人々の心に届けたい。生産者のそんな熱い思いが伝わってきた。

 

日本農業新聞富山通信部ライター 本田光信

 

 

▲10種類の野菜寿司

 

▲野菜寿司を味わう参加者

 

▲園芸作物の普及拡大に向け、意気込む関係者